35人学級が実現しても。
2010 / 12 / 20 ( Mon )
小学校1年生に35人学級実施ですか。
いいですねぇ。現在、40人の子の担任としては、ありがたいこってす。

明らかに仕事量が減ります。これはホンネの部分です。
現場は悲鳴を上げ続けていますし。

私より上の世代の方が
「私たちの時代は50人学級だったけど、学級崩壊なんてなかった。
 今は40人で十分減っているではないか。贅沢だ。
 先生の力量が落ちたのだ。」
とか言われることあります。

きっと現場を知らない方か、体罰を容認してくださる方でしょう。
子ども一人ひとりに対応しようと思うと、やはり今の人数は苦しいです。
もちろん、対応しおうとしなければ、何の苦もないのですけど。



ただ、定員が減ればいいのかな・・・という思いもあります。
静岡県の場合、既に「35人学級」が実現しております。小学校6年生に限定されていますが。

大規模校のうちの学校でも、この恩恵を得ました。
ただ現場では、このことを手放しで喜んでいるわけでもないのです。
学級数が増えたのですが、担任を持たない「専科」の先生が減りました。
「専科」の先生が減ることで、うちの学校では
・教員の授業準備時間が減った
・今までは「音楽」「家庭科」「図工」「書写」などを専科の先生にお願いしていた担任が、
 今は「音楽」ぐらいしか、お願いできなくなったこと
 1人の教員が受け持つ教科が増えたことで、やはり仕事量が増えた
・会計事務など、担任を持たない方が「分担して」行ってきた仕事が、結局担任がすることになったこと
という新たな負担も生まれてきました。

また、算数や国語など、子どもの実態に応じて学級をグループ分けして指導する
「少人数指導」もできなくなっております。


35人学級により「きめ細かな」「一人ひとりに対応した」指導が期待される・・・と言われますが、
現場では「逆行」してしまった部分もあるのです。
これは、現場でなければ見えない部分でもあるのです。

今、うちの学級は40人の子がいますが、少人数指導の恩恵を受けています。
担任外の先生とタッグを組むことで、算数の指導を行っています。

「小数」の指導が始まりましたが、予想通り「数」そのものの学習は、
子どもの差が広がっているので、子どもに応じてグループ編成を組みました。
生活の中で小数をすでに認識している子と、
「1を10等分する」という認識がまだできていない子の差はあまりにも大きいのです。

今回、ワタシは前者の子たちを相手にしております。
もう教科書の内容をあっという間に終えてしまいました。

だから、いつものように子どもたちに考えさせ、自分の考えを表現する課題を出しました。
「18.8ℓ水が入っている水槽に、1分で0.5リットル水を入れていく。
 でも、大きな穴が開けられてしまって、1分で0.7リットル水が抜けてしまう。
 この水槽の水は何分後になくなってしまうのだろう。」
(ずっと水が出ているのだから、水がなくなることはない・・・というツッコミはなし)

ちなみに、小学3年生に「18.8リットル÷0.2ℓ=94分」という考えはない。
子どもたちは悪戦苦闘。

でも、根性が入っている子もいて、
22121702
22121703
22121701
と、94回計算を繰り返して、「0になった」と叫ぶ子もいた。

また、「18.8」を「10」「8」「0.8」に分解して、
「0.8は、0.2を 4つ集めた数」
「  8は、0.2を40こ集めた数」
「 10は、0.2を50こ集めた数」だから
「18.8は0.2を94こ集めた数」・・・「94分」と答えた子もいた。


あっという間に答えを出す算数もある。
でも、じっくり考えたり、迷ったり、時間をかけて考えを書き表したりする算数もあっていい。


こんな指導は「少人数指導」でなければできない。
この時間、「1を10等分する」認識を育てたい子たちは、
別室で1リットルを0.1リットルます10本にうつす作業を通して、
小数をつかむ指導をしていた。

この違いは「差別」ではない。どちらのコースが合っているのか、子どもたちが「選択」できる。
途中で変更することも可能だ。

一人ひとり・・・とはいかないが、子どもたちの実態に合った指導の形だとワタシは思う。
底上げもできるし、上を伸ばすこともできる。



35人学級。現場としては歓迎したいことだと思う。
だけど、年々、子どもたちの実態の差が広がっていることに危惧している。
生活経験の差。
家庭の差。いや、子どもたちはもともとみんな違うことが当たりまえ。

来年度の国語の教科書はかなり分厚い。
今まで「読み取る」ことに重点を置いていた単元の指導時間が、かなり短くなる。
その時間内に読めない子は、置いていくしかないのだろうか・・・とも思う。


どうしようもない邪推なんだけど、この国の教育はまた「オチこぼれ」を作ろうとしている?
とも思っている。学ぼうとしている子の気持ちは、どの子も同じぐらいなんだけど。
教育は、どんな子にも機会均等ではあるはずなんだけど。


うちの学校の場合、3年生と6年生の児童数はほぼ変わらない。
ただ学級数という分母が違うので、うちは40人学級。そして6年生は27人。
実際に担任していないので、聞こえてくる声だけで考えているのだけど、
今のままでは、どちらが子どもにとっていいものだろうか、分かりにくいところもある。


もちろん、この声を、この国を司る方がどのように聞き取るかが一番大事なんだろうけど。














スポンサーサイト

テーマ:教師のお仕事 - ジャンル:学校・教育

04 : 57 : 43 | お仕事 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
<<自転車通勤開始。 | ホーム | どっと疲れが。>>
コメント
--35人学級にするというけど--

(From HIDE・教員OB)

40人学級を35人学級にするというけど、1年生のみですよね。

<静岡県の場合、既に「35人学級」が実現しております。小学校6年生に限定されていますが。>

と言われるように、既に県によっては、学年を限定して35人学級にしているところが多くあります。

日本の小学校における1クラス31人以上の割合は54.2%なのに、イギリスでは12.8%だそうです。(平成21年度学校基本調査)
先生方のご苦労を案じるとともに、日本の将来を憂います。
by: SchoolHIDE * 2010/12/20 15:46 * URL [ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://ultramarutti.blog26.fc2.com/tb.php/1186-6aadcb71
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |